- ブロンズとゴールドって何が違うの?
- 電気代に違いはあるの?
- どちらのほうを購入すればいいの?
私自身はブロンズとゴールドの違いを理解し、ゴールドの電源ユニットを購入し、使用しています。
ゴールドの電源ユニットを購入することで、長持ちかつ電気代を削減することが可能です。とはいえ、ブロンズでもよい場合もあるので、自分に合った電源ユニットがどちらなのかを確認していきましょう。
電源のブロンズやゴールドは「電源効率のランク」
名称 | スタンダート | ブロンズ | シルバー | ゴールド | プラチナ | チタン |
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画像 | ||||||
10%負荷 | ― | ― | ― | ― | ― | 90% |
20%負荷 | 80% | 82% | 85% | 87% | 90% | 94% |
50%負荷 | 80% | 85% | 88% | 90% | 92% | 96% |
100%負荷 | 80% | 82% | 85% | 87% | 89% | 91% |
電源ユニットの「ブロンズ」や「ゴールド」は、電力効率を示すランクであり、ランクが高いほど効率的に電力を供給します。
電源ユニットのランクには80 PLUSという認証システムに基づいており、「スタンダード」、「ブロンズ」、「シルバー」、「ゴールド」、「プラチナ」、「チタン」があります。
この認証は、電源ユニットが電力をどれだけ効率的に変換できるかを評価し、ブロンズやゴールドといったランクで区別されます。効率が高いほど無駄なエネルギー消費が少なく、電気代が抑えられるため、長期的にコストを削減できます。
例えば、ブロンズ認証の電源ユニットは、50%の負荷で85%の効率を示しますが、ゴールド認証のものは、同じ条件で90%の効率を示します。つまり、ゴールドの方がより少ないエネルギーで同じ性能を発揮できるため、発熱が少なく、電力損失も少ないというメリットがあります。
ブロンズ認証の特徴
ブロンズ認証の電源ユニットは、コストパフォーマンスが高く、基本的なPC用途に適した選択肢です。
ブロンズ認証は、82%以上の変換効率を持ちながら、比較的手頃な価格で提供されています。そのため、予算に限りがあるが、ある程度の性能を求めるユーザーに向いています。
例えば、ライトなゲーミングPCやオフィス用PCには、ブロンズ認証の電源が適しており、無駄のない電力供給を実現します。
ブロンズ認証は、コストを抑えつつも一定の性能を確保したいユーザーにとって、バランスの取れた選択肢です。
<メリット1>初期費用が安い
とにかく初期費用が安いです。ゴールド認証とは数千円程度安く、買えることが多いのが特徴です。
<メリット2>ライトユーザーにはオススメ
ブロンズ認証の電源は動画視聴、ブラウザでの検索、2Dなどの比較的軽いゲームを楽しむ程度であれば、ブロンズ認証の電源がオススメです。また、ゲームなどは軽くても、長時間放置するようなゲームをやられている方はオススメできません。
<デメリット1>電気代がゴールドに比べて少し高い
詳細な計算は後述しますが、ブロンズ認証の電源はゴールド認証の電源に比べ、少し高い傾向にあります。そのため、長時間放置をしたり、大変重いゲームをプレイされる方にはブロンズ認証の電源は向きません。
<デメリット2>発熱量が多くPCの寿命が短くなりがち
電源の発熱は電源の変換効率で決まります。
例えば、ブロンズ認証50%負荷の場合、85%の変換効率になります。残りの15%はどこへ行ったかというと、ほとんどが熱に代わってしまっています。そのため、その分電源が発熱してしまいます。
電源回路は電子回路でほとんどが半導体部品でできており、半導体部品の劣化は熱を与えることで加速していくので、可能な限り、発熱は抑えた方が電子回路、要は電源自身が長持ちすることになります。
そのため、PCを長く使いたい方にはブロンズ認証の電源はオススメはできません。
ゴールド認証の特徴
ゴールド認証の電源ユニットは、長時間ゲームを行う方やパソコンを頻繁に使われる方には最適です。
ゴールド認証は、87%以上の変換効率を持ちながら、ブロンズ認証とは数千円程度しか変わらないので、予算に余裕がある場合にはゴールド認証を選ばれる傾向にあります。
例えば、3Dのような重いゲームを長時間プレイされたり、ゲームを長時間放置する場合には、ゴールド認証の電源が適しています。
メリットやデメリットはブロンズ認証とほとんど逆にような関係になっており、次のようになります。
<メリット1>電気代がブロンズに比べ、少し安い
ゴールド認証の電源は電気の変換効率がブロンズ認証よりも高いので、ブロンズ認証よりは電気代は少し安く済みます。
パソコンを起動している時間によるため、パソコンを長時間使わない場合はこちらのメリットはほとんどなくなります。
<メリット2>ゲームを長時間やる方にはオススメ
長時間ゲームを行う方はゴールド認証の電源はオススメです。
これまで何度も記載している通り、電源効率が高いので、その分電気代が安くなります。
<メリット3>PCの寿命が比較的長い
ゴールド認証の電源はブロンズ認証電源に比べ、パソコン(電源)の寿命が比較的長くなる傾向にあります。
電源は電子部品の塊で、電子部品は熱に弱く、電源の変換効率が高いゴールド認証はブロンズ認証の言々に比べて、発熱が抑えられ、結果的に電源の寿命が長く保たれます。
<デメリット1>初期費用が高い
ゴールド認証の電源はブロンズ認証の電源に比べ、購入時の費用が高くなります。電源のメーカー等にもよりますが、数千円から1万程度変わる場合もあります。
ブロンズとゴールドの電気代差
ゲーミングPCの電気代は以下の式で計算することができます。
ゲーミングPCの電気代=×$\frac{ゲーミングPCの必要電力(kW)}{電源の変換効率}$×使用時間×1kWhあたりの電力単価
- 1kWhあたりの電力単価=31円/kw(全国家庭電気製品公正取引協議会より(2024年8月調べ))
- ゲーミングPCの必要電力(kW)=0.3kW(300W)
- 電源の変換効率=0.85(ブロンズ), 0.9%(ゴールド)
- 使用時間=4h、8hの2通り(ライトゲーマー基準とその2倍)
- ブロンズ認証
-
ゲーミングPCの電気代=$\frac{0.3 [kW]}{0.85}$×4 [h]×31 [円/kw]=42.78 [円/day]
- ゴールド認証
-
ゲーミングPCの電気代=$\frac{0.3 [kW]}{0.9}$×4 [h]×31 [円/kw]=40.92 [円/day]
- 差分
-
各日差分=42.78 [円/day]-40.92 [円/day]=1.86 [円/day]
月間差分=1.86 [円/day]×30 [days]=55.8 [円/month]
年間差分=1.86 [円/day]×365[days]=678.9 [円/year]
- ブロンズ認証
-
ゲーミングPCの電気代=$\frac{0.3 [kW]}{0.85}$×8 [h]×31 [円/kw]=85.56 [円/day]
- ゴールド認証
-
ゲーミングPCの電気代=$\frac{0.3 [kW]}{0.9}$×8 [h]×31 [円/kw]=81.84 [円/day]
- 差分
-
85.56 [円/day]-81.84 [円/day]=3.72 [円/day]
月間=3.72 [円/day]×30 [days]=111.6 [円/month]
年間=3.72 [円/day]×365 [days]=1,357.8 [円/year]
上記の計算結果から、1日に4時間使用した場合、年間で約678円の差が生じます。1日に8時間使用すると、その差は年間で約1,357円となります。
パーツの消費電力が増えたり、使用時間が長くなると、電気代の差はさらに大きくなります。
これらを考慮すると、数千円程度の価格差であれば、ゴールド認証の電源を選ぶ方が長期的にはコストパフォーマンスが良いといえます。そのため、ブロンズ認証かゴールド認証で迷われている場合は、数千円の差であればゴールド認証を選ぶのが賢明です。
ワット数の見積もりが大事
電源の最大効率は負荷が50%程度で使用することが1番効率が良いです。
電源の容量が大きすぎても、小さすぎても変換効率は悪くなってしまうので、組み立てるパソコンのワット数見積もりはとても大事になります。
ワット数の目安はドスパラサイトで確認
ワット数の目安はドスパラのサイトで確認するのが1番手っ取り早いです。
増設も考慮し見積もりより多めのワット数を選定
今後の増設も考え、若干多めの見積もりをしておくのが賢明。
- ストレージ
-
ゲームや動画を撮ったりしているとストレージがあっという間に満タン近くなってしまうことが多々あります。そのため、ストレージのHDDやSSDやM.2などを増設することはよくあることです。
- メモリー
-
最初に4GBや8GBしか積んでいないといろんなファイルやソフトを開いていったりすると、メモリー不足に陥りやすいです。そのため。メモリーの増築もよくあることの1つです。
- アクセサリー
-
USBハブや、SDカードリーダー、BD/DVDドライブなど、デスクトップパソコンに増築したい場合も良くあります。当初はSDカード何て使わないと考えていても、いざというときにそういえば、読み込む場所がないと気づいたりすることもあり、増築に至ります。しかし、このあたりのアクセサリーはUSBでつなげるタイプも販売されているので、そちらを選択するのも一つの手です。
【電源容量別】オススメ電源ユニット
基本的にはGold認証を選び、配線性も重視した電源ユニットを選択。電源には固定配線電源ユニットとモジュラー電源ユニットがあり、不要なケーブルを脱着できるもじゅーらー電源ユニットがオススメ。
450W:玄人志向 KRPW-BK450W/85+
450Wは以下に示すGTX 1650クラスのGPUや、エントリー・ミドルスペックのPCに適したコスパ重視の電源
GPU名 | Amazon | 楽天 | Yahoo | |
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NVIDIA製 | ||||
GeForce GTX 1650 GDDR6 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | |
AMD製 | ||||
Radeon RX 6400 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | |
Intel製 | ||||
Intel Arc A310 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | |
Intel Arc A380 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
450WではGold認証の電源かつ安価な電源が無いので、BRONZEがオススメです。
この電源はセミプラグインなので、マザーボードに接続するATX電源は固定ですが、SATAなどは脱着可能なので、不要なケーブルを置いておく必要がありません。
550W:玄人志向 KRPW-GK550W/90+
550Wの電源は以下に示すミドルロークラスのGPU向けにおすすめ。耐久性や冷却効率がバランス良く整っており、初めて自作する方にも向いています。
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NVIDIA製 | ||||
GeForce GTX 1660 Ti | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | |
GeForce RTX 3050 6GB | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | |
AMD製 | ||||
Radeon RX 6500 XT | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | |
Radeon RX 6600 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
550Wのオススメも玄人志向のGOLD認証の電源ユニットです。
この電源ユニットは450Wのモデルとは異なり、フルプラグインの設計が施されています。これにより、マザーボードに接続するケーブルもプラグイン式となっているため、必要なケーブルだけを選んで接続できます。
650W:SILVERSTONE SST-ET650-HG-Rev
RTX 3060クラスのGPU構成に適しています。将来的なアップグレードを視野に入れる場合にも安心です。
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NVIDIA製 | ||||
GeForce RTX 3060 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | |
GeForce RTX 4060 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | |
AMD製 | ||||
Radeon RX 6600 XT | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | |
Intel製 | ||||
Arc A580 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
650Wでオススメの電源はSilver StoneのSST-ET650-HG-Revです。こちらはセミプラグインの電源になっています。玄人志向の方がフルプラグインなので、利便性が良いですが、時期によっては高くなる場合があるので、こちらも視野に。なお、玄人志向のGOLD電源は以下です。
750W:玄人志向 KRPW-BK750W/85+
ミドル~ハイスペックPCに適し、RTX 3070まで対応可能。高い電力供給に加え、静音性が優れているためゲーミングにも適しています。
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NVIDIA製 | ||||
GeForce RTX 4060 Ti | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | |
AMD製 | ||||
Radeon RX 6700 XT | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | |
Intel製 | ||||
Arc A750 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
玄人志向の750WのGOLD認証の電源ユニットです。(筆者も使用中)
この電源もフルプラグインなので、マザーボードに指すケーブルもプラグインになっています。将来的に増設を考えている方は750Wを選んでおくのが良いでしょう。
まとめ
本記事では、電源ユニットのブロンズとゴールドの違いや、それぞれの特徴を解説しました。電源ユニットのランクは電力効率に大きく影響し、ゴールドの方が効率が高く、長期的に見ると電気代の節約やPCの寿命の延長に貢献します。しかし、初期費用が抑えられるブロンズは、ライトユーザーや予算を重視する方に適しています。
結局、どちらを選ぶべきかは、あなたのPCの使い方や予算に依存します。ゲームや高負荷の作業を長時間行う場合は、ゴールド認証の電源がオススメです。一方、軽い作業がメインで、初期コストを抑えたい場合はブロンズでも十分です。
セミクタ的にはゴールドにしておいた方がトータルで安く済むと考えるので、ゴールド以上の電源の購入がオススメです。
電源の容量を決める際はPCのワット数を正確に見積もり、今後の増設も考慮して適切な電源を選ぶことが重要です。長期的なコストパフォーマンスを考え、ぜひ自分に合った電源ユニットを選んでください。