マザーボードとは?価格の違いや選び方を徹底解説

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【マザーボード:基礎知識】マザーボードとは?、マザーボードの種類について解説
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  • マザーボードってなに?
  • マザーボードって安いのと高いので何が違うの?
  • どのように決めたらいいの?

パソコンを使っていると、「マザーボード」という言葉を聞いたことはありませんか?

マザーボードとはパソコンのパーツを繋ぐ土台(基板)になります。また、マザーボードの価格差は基板に接続可能な部品の数や性能の高さなどによって変わってきます。

マザーボードの詳細を理解することで、自分自身で自作パソコンが組み立てられますし、パソコンの自由度が増します。自分で組み立てられるようになると大変楽しいものです。

本記事ではでは、マザーボードの基礎知識や価格差、選び方について詳細に解説していきます。

目次

マザーボードとは?

マザーボードはパソコンの部品を接続する基板のこと

マザーボードは、パソコンの中で一番大切なパーツのひとつであり、パソコンの中にあるたくさんの部品(CPU、メモリ、グラフィックカード)をつなげるための土台(基板)のようなものです。そして、パソコンの電源を入れるときに、マザーボードがパーツ同士の通信をつかさどり、パソコンが正常に動くようにしてくれます。

これ以外にもUSBやLAN、音声などの入出力ポートがついており、USBは、スマホやカメラなどの機器をパソコンにつなげることができ、LANは、ネットワークに接続するためのポートで、インターネットにつながったり、音声は、スピーカーやマイクをつなげることができます。

マザーボードの大きさと規格(ATX、Micro-ATXなど)

マザーボードには、ATX、Micro-ATX、Mini-ITXなどのサイズがあります。順番に解説します。

ATX

ATXの大きさは305×244mmと30cmを超えます。拡張性が高く、多くのパーツを接続することが可能です。そのため、高性能なゲーミングパソコンやクリエイター用パソコンに使われることが多く、高価になりがちです。

Micro-ATX

Micro-ATXは、244×244mmと約24cmの正方形の大きさで、ATXよりも小さいサイズでありながら、ATXと同様の拡張性を持っています。そのため、コスパ重視のミドルレンジのパソコンで選ばれることが多いです。

Mini-ITX

Mini-ITXは、170×170mmの約17cmの正方形で、Micro-ATXよりもさらに小さく、拡張性が少ないのが特徴です。そのため、省スペース目的や負荷が軽い作業のパソコンに使われることが多いですが、あまり自作PCを作成するうえでは選択されにくい企画となります。

マザーボードのチップセット

マザーボードには「チップセット」と呼ばれる半導体チップが搭載されており、このチップセットはマザーボード上で、CPU、メモリ、ストレージ、GPUなどの各部品の接続と動作を制御しています。つまり、どのチップセットが搭載されたマザーボードを選ぶかによって、そのマザーボードがどの機能をサポートしているかが決まります。

例えば、CPUのオーバークロック(動作速度を超えて動かすこと)や、メモリのオーバークロック、複数のGPUを搭載する機能などは、チップセットによってサポートされるかどうかが異なります。さらに、同じ世代のチップセットでも、どこまでの性能や機能が提供されるかは異なるため、選ぶ際にはチップセットの世代も重要なポイントです。

初心者の場合、チップセットについて詳細に理解する必要はありません。ほとんどのマザーボードは、仕様書にどのような機能ができるかが記載されていますので、それを確認することで、必要な機能を備えているマザーボードを選ぶことができます。一般的に、ゲームや高性能な作業をする場合には、より高機能なチップセットを選ぶことが推奨されますが、ライトゲーマーや一般的な用途であればエントリーレベルのチップセットでも十分に対応できることが多いです。

Intel チップセット

Intelは自社のプロセッサと互換性のあるチップセットを製造しており、主にLGA(Land Grid Array)ソケットタイプのマザーボードに搭載されます。主な種類としては以下の通りです。

  1. Bシリーズ:
    • エントリーレベル向けで、基本的な機能を提供。一般ユーザーやライトゲーマー向けに適してます。
  2. Hシリーズ:
    • ミドルレベル向けで、CPUのオーバークロックは非対応。主にライト~ミドルユーザー向けです。
  3. Zシリーズ:
    • ハイエンド向けで、高度なオーバークロック機能や豊富な拡張性を提供。ゲーマーやエンスーシアスト向け。
AMD チップセット

AMDは自社のプロセッサと互換性のあるチップセットを製造しており、主にAM(Advanced Micro)ソケットタイプのマザーボードに搭載されます。

  1. Aシリーズ:
    • エントリーレベル向けで、基本的な機能を提供。一般的な用途に向いています。
  2. Bシリーズ:
    • 中級向けで、PCI Express 4.0サポートや高速ストレージ接続などの機能を備え、ゲーマーや一般ユーザー向け。
  3. Xシリーズ:
    • ハイエンド向けで、PCI Express 4.0や高度なオーバークロック機能を提供。クリエイティブ作業や高性能ゲーム向け。

マザーボードに接続する部品とは?

CPU

CPUを装着するためにはソケットが必要であり、ソケットの種類を誤るとCPUの取り付けができなくなります。 主にIntelとAMDの2つの大きなカテゴリーが存在し、購入の際はどちらのCPUを選ぶかを決定した上で、対応するマザーボードを選択する必要があります。

なお、IntelソケットとAMDソケットそれぞれにおいても、世代や規格の違いが存在し、選択したCPUに適したソケットを選ぶことが重要です。 従って、適切なソケットの選択はユーザーにとって重要な判断要因となります。

Intelソケット

Intelソケットは、Intel製のCPU(Central Processing Unit)をマザーボードに取り付けるための接続部分です。Intelはさまざまな世代のCPUを生産しており、それに伴って異なるソケット規格が存在します。代表的なIntelソケットを簡単に説明します。

  1. LGA1151(Land Grid Array 1151)
    • 第6世代から第9世代までのIntel Coreプロセッサに対応しています。主にSkylake、Kaby Lake、Coffee Lake、Whiskey LakeアーキテクチャのCPUに使用されました。LGA1151は、2つの世代に渡って使用されましたが、マザーボードの世代に注意が必要です。
  2. LGA1200(Land Grid Array 1200)
    • 第10世代および第11世代のIntel Coreプロセッサ向けのソケットです。主にComet LakeとRocket LakeアーキテクチャのCPUに使用されます。LGA1151とは異なるため、互換性に注意が必要です。
  3. LGA1700(Land Grid Array 1700)
    • 第12世代から第14世代のIntel Coreプロセッサ向けのソケットです。このソケットは、Alder LakeアーキテクチャのCPUに使用されています。新しい世代のCPUに対応しており、DDR5メモリやPCIe 5.0などの新しい規格に対応しています。
  4. LGA1851(Land Grid Array 1851)
    • 最新のIntel Core Ultra(NPU搭載CPU)に対応するソケットです。このソケットは、Arrow LakeアーキテクチャのCPUに使用されています。今後発売されるCPUの主流となるソケットとなるでしょう。

Intelは新しい世代のCPUが登場するたびにソケット規格を変更することがあります。そのため、CPUを購入する際は、適切なマザーボードのソケット規格を選ぶことが重要です。

AMDソケット

AMDソケットも、AMD製のCPUをマザーボードに取り付けるための接続部分を指します。以下に、代表的なAMDソケットについて簡単に説明します。

  1. AM4(Socket AM4)
    • RyzenシリーズのCPUやAPU(Accelerated Processing Unit)に対応しており、Zen、Zen+、Zen 2、Zen 3アーキテクチャをサポートしています。AM4は長期間使用されており、非常に多くのAMD CPUに対応しています。
  2. sTRX4(Socket sTRX4)
    • 高性能なHEDT(High-End Desktop)向けのソケットで、ThreadripperシリーズのCPUに使用されます。これにはZen 2およびZen 3アーキテクチャのCPUが対応しています。多くのコアを活用するため、プロフェッショナル向けに使われることが多いです。
  3. sWRX8(Socket sWRX8)
    • 同じくHEDT向けのソケットで、EPYCプロセッサに使用されます。これはサーバーやワークステーション向けの高性能CPUに対応しています。
  4. AM5(Socket AM5)
    • 最新のRyzenシリーズCPUおよびAPUに対応するソケットで、Zen4およびZen5アーキテクチャをサポートしています。DDR5メモリやPCIe 5.0に対応しており、主流に現在、主流となっているプラットフォームです。

AMDも新しいアーキテクチャが登場するたびにソケット規格を変更することがありますので、新しいCPUを選ぶ際には、対応するマザーボードのソケットを選択することが非常に重要です。

グラフィックボード

マザーボードにはグラフィックボード(GPU)を接続するためのスロットがあります。

このスロットは、PCI Express(PCIe)という通信規格を使って、データのやり取りを行っています。最近では、PCIe 4.0やPCIe 5.0という規格が主流です。

PCIe規格には、データ転送を行うための「レーン」という単位があり、x1レーンx4レーンx8レーンx16レーンといった種類があります。これらのレーン数が多いほど、データ転送速度が速くなります。

現代のマザーボードでは、グラフィックボードを接続するためのスロットとしてx16レーンが一般的で、ほぼすべてのマザーボードに搭載されています。

高級なマザーボードでは、x16レーンが2つ以上搭載されていることが多く、x1レーンx4レーンx8レーンのスロットは、主に拡張カード用に搭載されています。

ストレージ

ストレージは、データやアプリケーションを保存する重要な部品です。ストレージにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる接続方法でマザーボードに接続されます。

ストレージ種接続読み書き速度特徴
ハードディスク
(HDD)
SATA接続Read速度:
約100 ~ 160 MB/s
Write速度:
約 80 MB/s ~ 150 MB/s
大容量でコストパフォーマンスが高いが、
速度は遅く、耐久性に劣る。
2.5インチSSDSATA接続 or
PCIe接続
Read速度:
約 500 ~ 550 MB/s
Write速度:
約 400 ~ 500 MB/s​
速度がHDDより高速で、
省電力・耐久性に優れるが、
容量と価格のバランスが重要。
m.2 SSDPCIe(NVMe)
接続
Read速度:
約 1500 ~ 3500 MB/s
Write速度:
約 1500 ~ 3300 MB/s
非常に高速で、
ゲームや高負荷作業に最適だが、
価格は高め。

電源

電源ユニットは、マザーボードや他のパーツのパソコン全体に電力を供給する部品です。マザーボードには24ピンATXコネクター8ピンCPU電源コネクターを使って電源が接続されます。高品質な電源ユニットを選ぶことで、システムの安定性と寿命が向上します。

メモリー

メモリー(RAM)は、パソコンが動作中にデータを一時的に保存する部品です。パソコンのスムーズな動作に必要不可欠で、マザーボードにはDIMMスロットがあります。メモリー容量や速度によって、パソコンの処理能力が大きく変わります。最新のマザーボードでは、通常、2枚または4枚のメモリースロットがあります。

その他アクセサリー

その他のアクセサリーには、USBポート、Wi-Fiカード、サウンドカード、さらには液晶モニターなど、パソコンの機能を拡張する部品が含まれます。これらのアクセサリーは、PCIeスロットM.2スロットを利用して接続されます。


マザーボードの価格差は何が違うの?

マザーボードの価格には様々な要素が影響します。以下のポイントが価格差の理由となります。

チップセットの違い

先ほど解説したチップセットの違いによって価格が異なります。

チップセットが異なると、搭載できる部品が多くなったり、機能が多く使えたりすることができます。高性能なチップセットを搭載したマザーボードは、より高い価格となることが一般的です。

例えば、ゲーミングや動画編集に特化したマザーボードは、より高価です。

接続部品数と拡張性による価格差

高価なマザーボードは、複数のPCIeスロットM.2スロットを搭載し、拡張性に優れています。これにより、将来のアップグレードや追加部品の接続が容易になります。

冷却性能と価格の関係

冷却性能が高いマザーボードは、価格が高くなる傾向があります。高性能なCPUやGPUを冷却するために、ヒートシンクファンを強化したマザーボードが多いです。

その他機能の違い

一部のマザーボードには、Wi-FiやBluetoothの内蔵機能、オーディオ機能の強化など、便利な機能が追加されています。これらの追加機能が価格差を生む要因となります。

マザーボードの選び方

マザーボードを選ぶ際には、用途や予算に応じて最適なものを選ぶことが重要です。

初心者でも失敗しない選び方のポイント

  1. サイズ:
    • マザーボードにはいくつかのサイズ(フォームファクター)があり、代表的なのはATX、MicroATX、Mini-ITXです。これらのサイズによって、PCケースの大きさや、搭載できる拡張カードの数が異なります。初心者の場合、使いたいPCケースのサイズに合わせてマザーボードを選ぶことが重要です。
  2. CPUソケット:
    • どのCPUがマザーボードに取り付けられるかは、CPUソケットによって決まります。初心者の場合、まず最初に選ぶべきは、使用したいCPUに対応するソケットを持つマザーボードです。例えば、IntelのCPUならLGA1700、AMDのRyzenならAM5といった具合です。間違って違うソケットを選んでしまうと、CPUが取り付けられません。
  3. 拡張性:
    • 使用する予定のメモリスロット数PCIeスロット(GPUや追加カードを挿すためのスロット)、およびストレージの接続端子(SATAやM.2など)の数を確認しましょう。これにより、今後のアップグレードや拡張が可能かどうかが決まります。例えば、将来的にGPUを追加したい場合は、十分なPCIeスロットが必要です。

まとめ

マザーボードの基礎知識や種類を解説しました。

マザーボードは、パソコンの中で最も重要なパーツであり、様々な部品を接続するための土台のようなものです。また、USBやLAN、音声などの入出力ポートも備えています。

マザーボードには、サイズ、ソケット、チップセットの種類があります。

サイズには、ATX、Micro-ATX、Mini-ITXがあり、それぞれ拡張性やコストなどが異なります。

ソケットには、IntelソケットとAMDソケットがあり、CPUの世代によってソケットが変わります。

チップセットには、IntelチップセットとAMDチップセットがあり、それぞれXシリーズ、Zシリーズ、Hシリーズ、Bシリーズ、Qシリーズ、CシリーズやXシリーズ、Bシリーズ、Aシリーズがあります。

これらの種類を理解することで、自分に合ったマザーボードを選ぶことが可能になります。

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